学芸員だより

2014年07月29日

ノンタン展紹介②作者キヨノサチコさんの絵本作り

今回は、作者・キヨノサチコさん(1947-2008)絵本作りについて、紹介します。

(キヨノさんが書かれた『ママノンタン流絵本作家になる方法』を参照しました。)

☆お話作りについて

ノンタンの楽しいお話は、どこから生まれたのでしょう?

お話を作るとき、ひらめいたアイデアを忘れないように「アイデア専用メモ帳」が必需品だったそう。そして、自分の子供の時の体験をモチーフにすることが多かったようです。今回の展覧会でも、メモ書きやノートがたくさん展示されています。

また、豊かな自然や景色のよいところを何時間も散歩して、脳を活性化させ、アイデアを生み出したそうです。

☆ノンタン絵本の色のポイント

ノンタン絵本のポイントカラーは、なんといっても、赤!キヨノさんも絵の具にこだわっていたようです。

○  ノンタンカラーの赤(アクリラ・ガッシュのスカーレットを使用) → 赤い自動車、はぶらし、コップ、ふとん、ギターなどノンタンの大事なものは、ほとんど赤です!

その他、黄色もポイント。

○  地面の黄色(ライトイエロー+ホワイト)…ノンタン絵本のまとめ役、引き立て役として、全体に統一感をもたせています。

☆ノンタンの輪郭

ノンタンの 「ゴニョゴニョした輪郭」、どうしてかな~と思われるかたが多いのではないでしょうか?実は、子猫のノンタンの柔らかなほわほわの白い毛の感じを出すためだそうですよ。そのため、輪郭は、日本画で使われる「面相筆」を使っていました。筆だと、線の太さを自在に描き分けられますね!

©キヨノサチコ/偕成社

©キヨノサチコ/偕成社

 ☆文章の作り方

短くて、リズムがあって、幼児でも楽しく覚えられる文章はどうやって作られたのでしょう?

それは、子供たちによみきかせをしているつもりで、何度も何度も、口に出して読んでいく作業をされていたそうです。音読を繰り返しながら、いらない文章ををどんどん切り捨てていくことで、あの文章が生まれたのですね。

最初は漫画家を目指していたキヨノさん

キヨノさんが、ノンタンを描く前に漫画を描いていたことをご存知でしょうか。実はキヨノさん、最初は、漫画家を目指していらっしゃったんです!69~70年にかけて、漫画雑誌『少女コミック』に、「ララとドラ」という漫画を連載していました。(雑誌は現物を展示していますので、この機会にぜひご覧ください。)

キヨノさんは、生前、「自分がいなくなっても、子どもたちのなかでノンタンはずっと生き続けてほしい」と願いました。シリーズ刊行から40年近く経ちますが、その願いどおり、現在も根強い人気を誇り、シリーズ発行部数は累計2900万部を超えています。

その人気の秘密は、キヨノさんのこだわりの絵本作りにあったのでしょう。

作家について

ページトップへ